ITパスポート試験 令和6年度分 解説
問2 情報システムに不正に侵入し、サービスを停止させて社会的混乱を生じさせるような行為に対して,国全体で体系的に防御施策を講じるための基本理念を定め、国の責務などを明らかにした法律はどれか。
ア 公益通報者保護法
イ サイバーセキュリティ基本法
ウ 不正アクセス禁止法
エ プロバイダ責任制限法
解説
この問題は、サイバー攻撃などの不正行為に対して、国家レベルでの防御策や基本的な方針を定めた法律を問うものです。
各選択肢について説明します。
- ア: 公益通報者保護法
これは、企業や組織内で不正行為を見つけた人が内部告発(公益通報)を行った際に、その人を保護するための法律です。具体的には、通報者が解雇や不利益な扱いを受けないようにします。サイバーセキュリティや国家の防御策を定めた法律ではありません。 - イ: サイバーセキュリティ基本法
この法律は、サイバーセキュリティに関する基本的な理念を定め、国や地方公共団体、企業、国民の責務を明確にしています。サイバー攻撃に対する国全体の防御施策の基盤となる法律であり、問題の記述に該当します。 - ウ: 不正アクセス禁止法
不正アクセス行為を禁止し、罰則を定めた法律です。具体的には、他人のIDやパスワードを無断で使用したり、システムの脆弱性を突いて不正にアクセスすることを取り締まります。しかし、国家の基本理念や責務を定めた法律ではありません。 - エ: プロバイダ責任制限法
インターネット上での権利侵害に関して、プロバイダ(インターネット接続事業者)の責任範囲を定めた法律です。また、被害者が発信者情報の開示を求める手続きも規定しています。サイバーセキュリティの基本理念を定めたものではありません。
結論
最も適切な選択肢は イ の サイバーセキュリティ基本法 です。